戦国乱世の南予探る 県歴博でテーマ展 古文書・甲冑など展示
愛媛県歴史文化博物館(西予市宇和町卯之町4丁目)で、テーマ展「南予の戦国乱世-館蔵品を中心に」が開かれている。南予の戦国史に関連する古文書や甲冑(かっちゅう)などを展示。戦国時代、河野氏、長宗我部氏、大友氏らの勢力争いの舞台となった南予地域の戦国史を探る。11月27日まで。
会場では実物史料30点を紹介。関ケ原の戦いで西軍総大将を務めた毛利輝元の天正12年(1584年10月29日)の書状は、輝元が家臣に対し、伊予国の河野氏へ軍勢300人を派遣するように命じたことを伝える内容。毛利氏と河野氏は同盟関係で、同年9月には長宗我部氏が南予に侵入しており、戦国末期における戦乱の一端がうかがえる。
室町幕府13代将軍足利義輝の奉公衆、石谷氏にまつわる「石谷家文書(いしがいけもんじょ)」(林原美術館蔵)も特別展示。15代義昭の側近、真木島昭光の書状(天正10~11年)からは、毛利氏からの要請で、長宗我部氏と河野氏の和睦を義昭が取り計らおうとしていた状況が分かる。織田信長によって京都を追放された義昭は、毛利氏、長宗我部氏から上洛の協力を得るために、和睦のあっせんをしたとみられる。
山内治朋専門学芸員は、「戦国時代の南予には多くの勢力が乱立したが、全国の歴史とも互いに影響し合った地域だったという側面を知ってほしい」と話している。
11月3日には、岡山県立博物館の内池英樹主幹による講演「『石谷家文書』から見える伊予の戦国時代」がある。事前申し込みが必要。問い合わせは同館=電話0894(62)6222。